淡路島たまねぎ

淡路島たまねぎの主な品種と他の産地の品種を食べ比べたところ、甘さが強い、柔らかいという食味評価が得られ、科学的な分析においても同様の結果が出ています。

資料提供:兵庫県南淡路農業改良普及センター
作成:兵庫県玉葱協会 2022.12

美味しさのポイント①
美味しさのポイント②
美味しさのポイント③

淡路島では、田んぼの片隅に壁のない小屋がよく見られます。収穫したたまねぎを乾燥貯蔵するための建物です。
6月から10月までお米が作られた田んぼで「淡路島たまねぎ」が栽培されます。田んぼに水を張ることで土の中の有害な菌が減少し、連作障害も少なくなり、毎年美味しい「淡路島たまねぎ」をつくることができます。

くにうみ神話の残る淡路島は、「古事記」と「日本書紀」に日本で最初に誕生した島とされています。
地質学的には、和泉層群という中生代白亜紀後期(約7000万年前、アンモナイトの生きた時代)の地層が広く分布しています。
淡路島の南側には、活断層とされる中央構造線があり、その北側にあたる諭鶴羽山地は、堆積岩である和泉層群の砂岩や磯岩で成り立っています。
海底から隆起した諭鶴羽山地が、長年の風雨により浸食され、その北西部に扇状地が形成されました。
「淡路島たまねぎ」は、主にこの扇状地で生産されています。

おいしさポイント1

砂や磯の多い土壌により、排水がよく、冬には地中まで太陽の熱が伝わるため、根が深く張り、元気に生育します。また、砂磯が多いと土が乾き、「淡路島たまねぎ」には軽いストレスとなり糖やデンプンを蓄え、おいしくなります。

清らかな水を湛えた里山のため池

「淡路島たまねぎ」は、アメリカから導入された種子を大阪の農家が改良し、その種を淡路に合った品種に改良するため選択が繰り返されました。その結果、大正12年(1923)に「淡路中甲高黄」として栽培を始めました。
この品種は、F1品種が出てくる昭和40年代後半(1975年頃)まで、西日本のたまねぎ生産の約40%がこの系統になったこともあります。
この品種は、形も良く柔らかく甘いことから、F1品種の親となっています。現在栽培されている「淡路島たまねぎ」の約50%にこの血が受け継がれています。中晩生品種に限ると、なんと約80%の品種に遺伝子資源として生かされています。(北海道を除く)
現在、全国で栽培している品種の多くは、まず淡路島で何年も試作を繰り返し、品種としての良否が判断されています。

「淡路中甲高黄」の種とり

「淡路中甲高黄」の種とり圃場
(1955年頃)

おいしさポイント2

淡路で育成した品種の血が入り、淡路島の土壌や気候風土に適合するように改良が続けられた品種だから、おいしいのです。

日本に初めてホルスタイン種(乳牛)が輸入された10年後の明治33年(1900)、淡路島に子午十数頭が導入され、乳用牛の育成をはじめました。これが南あわじ市における酪農の始まりで、西日本における酪農の発祥の地となりました。
農耕用の役牛を飼っていた農家は、酪農に転換するようになり、時を同じくして淡路島にたまねぎも導入されました。
1880年代のたまねぎ栽培への取組以降、屋敷地の長屋で数頭の牛を育て、その牛ふんを地肥化し、農地にすき込み、砂磯の多い農地の土壌改良を行い、たまねぎと水稲を輪作する、有畜二毛作のシステムとして体系化されました。
たまねぎ栽培においては、水田に水を入れることで病害虫を抑制するとともに、畜産によって得られた牛ふんに稲わらを混ぜた戻し堆肥をほ場に好き込むことによって、野菜生産に適した物理性、化学性、生物性が豊かな土づくりが可能になりました。

乳牛を改良するコンテストを開催

稲わらは、牛の餌として活用

牛糞堆肥は、腐熟させて

淡路島の伝統的なたまねぎ栽培(淡路島のたまねぎシステム)

淡路島の農家は、貴重な水を大切に利用してお米を作り、牛を飼い、稲わらを餌として活用してきました。そして、その牛糞堆肥で砂磯の多いやせた土を肥やしてたまねぎを栽培してきました。そして、田に残った肥料を次のお米作りに活用する資源循環型農業を100年以上前から行なっています。
収穫したたまねぎは、水田の中に建てられた風通しの良い小屋(たまねぎ小屋)で乾燥させ、貯蔵するととてもおいしくなります。
水が少ない、風が強い、大きな産業のない島でありながら工夫と勤勉な生産者により、島の特産となりました。また、ため池や水路、ほ場には様々な生き物の営みがあり、生物多様性を有する地域を維持しています。

おいしさポイント3

資源を循環させてつくる、伝統的農法「淡路島のたまねぎシステム」を100年以上行っているからです。(世界で唯一、淡路島だけの仕組)

※世界のたまねぎは、春まき秋収穫が一般的ですが、淡路島は冬越しの栽培で、世界的に見ると特殊です。生産地は大きな河川流域が多く、肥沃な畑地で栽培されています。しかし、連作のために地力の消耗や病害の発生などで作りにくくなると新たな土地で栽培します。
淡路島のように同じほ場で毎年生産し100年以上にわたって作り続けても、障害が出ていない地域は稀有で、世界の中でも特異な栽培システムです。

たまねぎ畑に生きる生き物

ひばりは、たまねぎ畑で産卵し、雛を育て、約2週間で巣立ちます。かわいいアマガエルやテントウムシもよく見られます。

島風を乾燥に活かす「たまねぎ小屋」の知恵

周囲を海に囲まれ、常に微風があります。特に夏には諭鶴羽山地を超えた乾いた風が吹き、たまねぎの自然乾燥に適した地域となっています。
たまねぎ小屋は、収穫したたまねぎを、18玉程度に束ねて吊し、乾燥する壁のない小屋です。6月に収穫した後、この小屋で乾燥し田植え後の8月まで貯蔵に使われます。小屋でたまねぎを乾燥しているのは、淡路島だけです。
たまねぎをゆっくりと自然乾燥すると、太陽光や乾燥などのストレスから身を守るためにケルセチンが増加します。また、乾燥したたまねぎを貯蔵しておくと旨味が増すと言われてきましたが、近年の研究で糖の増加が実証されました。

淡路のランドスケープ「たまねぎ小屋」

おいしさポイント4

「淡路島たまねぎ」を伝統的なたまねぎ小屋でゆっくり乾燥させると、機能性成分(ケルセチン)が増え、貯蔵しておくと糖含量が増え甘くなります。

紫外線から身を守るために作ったケルセチンは、普段使わない時、糖と統合して、ほとんどが配糖体で可食部中に存在しています。糖と統合しているため体内を移動することができ、ケルセチンが必要となった時、糖が外れて身を守ります。

晩生種の可食部中の糖質(グルコース、果糖、ショ糖)を収穫時、1ヶ月間吊球貯蔵、吊球後5ヶ月間冷蔵庫で貯蔵したもので比較すると、長期貯蔵で糖が増加しています。

淡路島では、出荷時期に合わせて、最も美味しいものをお届けしています。おいしくて、体に良い成分を含んだ「淡路島たまねぎ」をご賞味ください。

「淡路島たまねぎ」の本場・南あわじ市より
全国のみなさまに産地直送でお届けいたします!

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